
『イブニング』連載、「紫電改343」の第32話
3月19日午前9時頃、敵機が去ったため各戦闘機は次々と帰還していた。杉田庄一が帰って来たところをタバコを差し出して平身低頭するのは笠井智一です。腹痛のため紫電改に乗れず、当番を外されたことをひどく悔いている様子。それを承知で杉田は「お前を列機から外す」「腹痛で空戦を休むような奴だからだあ」と責め、笠井は泣いて謝ります。これは笠井が後年になって講演会で幾度と話してることから、よほど申し訳ない気持ちだったのでしょう。
そこに701の坂井三郎や407の本田飛曹、市村大尉が駆けつけた。今回の戦果報告をして欲しいそうだ。けれど隊長はまだ戻ってきてません。

そしたら3部隊の隊長は誰一人として未帰還と聞いて杉田は驚きます。うちの菅野大尉は落下傘で脱出してるので無事だろうけれど、林大尉と鴛淵大尉も未帰還とは…と信じられません。
でも約一時間後に林は帰還。岩国基地から零戦を借りて帰ったのちに紫電改で再び出撃して一機撃墜したそうだ。何ともタフネスだこと。また午後一時過ぎには菅野がトラックに乗せられて帰還。顔に酷い火傷を負ったものの命に別状はありません。

そこでこの話が語られました。田んぼに無事に着陸したはいいけれど、顔を火傷したので一見では正体がわからず、米兵と間違えられて追い回されたエピソードがようやく登場ですヨ!
依然として帰らない鴛淵隊長。杉田と坂井は見晴らしの良い掩体壕(えんたいごう 戦闘機を隠しておくコンクリート製の格納庫)の屋根の上で帰ってくるのを待ってました。兵庫の鳴尾飛行場に向かったとの話は聞いているけれど(実際にそうです)、無線で聞いたわけではないので不確実な情報を信じるわけにはいきません。ここに菅野と林もやって来た。

有益な戦果報告を急ぐ上層部の気持ちはわかるけれど待ってもらっている。鴛淵隊長が帰らなければ新設された343航空部隊の存在意義が問われるからだ。
皆が戻ることを信じてどれぐらい経っただろう、一機の紫電改が飛んで来ました。間違いない、鴛淵の機体です!

こうして三人の隊長が無事に揃ったことでようやく戦闘終了が告げられます。大戦果だったことは知られてますが16名もの犠牲者が出たことを忘れてはいけません。

『イブニング』連載、「紫電改343」の第31話
昭和19年3月19日にあった343海軍航空隊の初出撃戦はまだ続いてますが、701(維新隊)の鴛淵・301(新選組)の菅野・407(天誅組)の林隊長たちはどうなったかが今回 語られました。
先ずは鴛淵。先陣を切って飛び出した701の紫電改16機はグラマン20機と会敵。その後も敵は増え続けて空戦域は移動し続け、701も編隊空戦から個別空戦へと変わっていった。補給したくとも来襲が途切れない状況では松山基地への着陸は困難。何せ着陸前から離陸後までは無防備状態だから、敵機にとっては「美味しい相手」に違いありませんからね。
鴛淵は松山への着陸は諦めて兵庫県の成尾飛行場まで飛ぶことにしたそうだ。

301の菅野は機体を失い、またそれを庇って日光が死亡。菅野は落下傘で脱出に成功して命に別状はありません。ただ…描かれるかどうかは知らないけど顔を火傷しており日本人と判断できなかったことで、村人からアメリカ兵と間違えられて追い回される事件?が勃発します。
最後は407の林。基地強襲のグラマン隊を迎撃するも右翼の主脚が引き込まれない故障を起こして苦戦。「まだヤレる」と強がる林と、安全を考慮して「退避してください」とする二番機の遠藤上飛曹。そんなことをしていたら敵機によって遠藤は撃墜されてしまいました。林は山口の岩国飛行場に辿り着き、失意の中で同期だった梅村大尉と久しぶりの再会を果たします。

話を聞いた梅村は「自分の責任だ」とする林を「違う」と一喝。
お前はヤレたが 部下はヤられた
お前の判断で部下は死んだんじゃない
ここは戦場なんだよ
なるほど、何が起きるか分からない戦場において「どっちが正しかったか」なんて意味がない。結局は「弾が当たらなかった」方が評価されるってことですよ。

故障した紫電改を残して、零戦を借り受けて帰投する林。梅村の言葉で幾分かは気分が紛れたようだ。

『イブニング』連載、「紫電改343」の第30話
エッカード大尉が菅野機を銃撃し、ケーリン少尉は菅野をかばって盾となった日光機を破壊。二人ともこれが初撃墜だったようで浮かれていたら杉田が仇を討たんと急接近! しかし20mm機銃は弾切れのため何度引き金を引いてもに火を吹かず、二人はさっさと逃げて行ってしまいました。「弾さえあれば…」と悔しがる杉田です。

それはそうと菅野隊長は無事なのか!? 周囲を見回したら落下傘が開いており菅野と確認できて胸をなでおろす。けれど日光が見当たりません。まさかまだ機内の中なのか?
はい、日光は気を失っておりまだ脱出してませんでした。家族のこと・姉のことを思い出していた時に目を覚ます。エンジンは完全にイカれているが機体は安定しているから手順通りにやれば大丈夫だ!

が、そこで自分が怪我していることに気が付いた。アドレナリンにより痛みを感じてなかったのだろう。腹に穴が開いており、頭からも出血していた。

それでも希望を捨てない日光!
こんなところでくたばってたまるか
外に飛び出し…座席に繋いだ落下傘が開いて…脱出!
オレは…まだ…結果を出していない!!
翼の中の燃料タンクが爆発して完全にコントロール不可となり もはや成す術なし。機体がバラバラになる直前に目の前に浮かんだのは先に死んでいった戦友たちの姿でした。

そうか…最後に浮かぶのはお前達か…
こうして瀬戸内海に消えた日光安治 上飛曹。彼のおかげで菅野は生き延びられたわけで、菅野はさぞ悔しいことだろう。

『イブニング』連載、「紫電改343」の第29話
互いに帰還途中で出会ってしまったための望まぬ戦い。後で知ることになりますが接近してきた4機のヘルキャットは、他機を安全に逃すための足止めとして任されたとのこと。そりゃ燃料も残弾も少ない状態でわざわざ積極的に仕掛けて来るわけがないわな。
菅野は皆に告げる。「怯むな」と。ヤツらは俺たちが弾も燃料もないことを知らない。ココで怯めばヤツらの気持ちを楽にするだけだと。
とはいえこの状況でどう戦えばいいの? それを実践する杉田です。

敵の後ろに食らいついて「撃つぞ撃つぞ」と けしかける。パニックとなったパイロットは逃げようとして必死になり、味方機に接近しすぎて衝突させようというわけだ。今回は失敗したとはいえ敵をビビらせたのは間違いなく、これによってトラウマにでもなってくれたら しめたものですよ。杉田は語る。
弾なんざなくたって…戦えるんだぜ 俺達はな
これに続けと今度は菅野の番。敵機の後ろに回り込み、操縦桿を引きつけて接近しようとしたら…

勢いが余って敵機の前に出てしまいます。先の戦闘でエルロン(補助翼)の1/3が無くなっており、上手く操縦できなかったようだ。相手にしてみればわざわざ照準器のド真ん中に入って来たわけで、こんな絶好機を見逃すわけがありません。
ガンガンガン! 菅野機は掃射を受けて火を吹いた。コクピット内でも火災となり、顔を火傷した菅野は脱出すべく外へ身を乗り出す。

そこに迫るは先ほど杉田に追い詰められたケーリン少尉。裸同然の菅野にトドメを刺そうというわけです。杉田は叫ぶも離れすぎていて間に合わない。絶体絶命の菅野! 機銃が掃射される刹那、その間に割って入ってきた機体がありました。
日光「させるかよ」

日光安治上飛曹の紫電改が盾となって菅野を護りました。代償は日光の命── 301でも若い隊員だっただけに菅野の無念は相当なものだっただろう。
尚、菅野はこの後に落下傘で無事に着陸するのですがここでエピソードが。顔が火傷で赤くなっていたため日本人ではなくアメリカ兵と間違えられ、住民に追い回されるというウソのようなホントの話があるのです。もっともこの後で誤解が解け、手土産をもらって帰還するのですがね。まぁこれが描かれるかどうかは知りません。
紫電改343(4) (イブニングコミックス)

『イブニング』連載、「紫電改343」の第28話
モブリー少佐が率いるF4U コルセアの部隊に大打撃を与えた菅野たち戦闘301飛行隊(新選組)。本来の目的だった呉への攻撃は目の前なのでキャントレル大尉は進言するも却下された。我々が飛んでいられるのはコルセアというタフな機体があってこそ。帰投できるチャンスはこの一瞬しかないと、悔しさを滲ませながら部下に言い聞かせた。
確かに隊長の判断はビンゴだとキャントレル大尉。この戦争を終わらせるにはアイツらをどうにかしないといけないと雪辱を誓う。
オレ達アメリカを甘くみるなよ
お前達を倒すオプション(戦い方)は必ずある!
このセリフを実証してしまうのが図らずも「紫電改の弱点」について語っていた呉のおじさん。誰かと思ったら海軍工廠で紫電改の開発に関わってきた人らしい。そうだとしても一般市民に対して新型機の弱点を教えてしまう行為は、憲兵にしょっびかれて当然な行為だと思うけどな。

紫電改の航続力は増槽なしで30分。20ミリ機銃が4門あっても各2百発の弾丸を撃ちっ放しでは24秒で底を突く。
つまり30分しか闘えない戦闘機
それが紫電改なんだよ!
「遅すぎた零戦の後継機」と言われる紫電改ですが、航続距離が短いのが致命的なのか。まぁ局地戦闘機と割り切ってしまえば楽かもしれませんが、零銭に慣れている人からすれば物足りなさがあったかもしれませんね。
菅野はモブリー少佐の部隊が離脱するのを確認。追い掛けないのは戦う意思がない者への攻撃は無意味ということか。撃墜数を杉田に訊いたら「5・6機で勘弁してやった」とのこと。これを上回ったのは加藤勝衛 上飛曹の10機。これはいささか大袈裟だったようだけど、8・9機は間違いないらしいですよ!?
見渡す限り敵機は見当たらないことから帰投する301です。
その頃の空襲警報がやんだ松山基地の近郊。菅野が贔屓にしている すき焼き専門店「喜楽」の女将・今井琴子さんのもとに訪れる人がいました。

日光安治 上飛曹の姉と、井上伊三郎中尉の奥さんです。
よりによってこの二人の身内を出しますか!?
お涙頂戴劇の何ものでもないんですけど…。ここまで書けばほとんどの人が察しているでしょうが死亡フラグになってるんですよ。だからこれから起きることを思うと切ないったらありゃしない!
帰投する菅野機が被弾していることに気付いた杉田。右翼の補助翼(エルロン)が3分の1ほど無くなっているけれど帰るには支障がないという。けれどこんな時に限って不幸がやって来るというもの。四国の西条飛行場あたりを攻撃して帰還するF6F ヘルキャットの編隊と遭遇してしまう。お互いに攻撃帰りなので燃料と残弾が厳しいに違いない。だから見逃すし、相手も見逃して…くれませんでした。4機だけが編隊を離脱してこっちに向かってきます。

ならばこちらも攻撃態勢になるしかないね! 「日光! 行くぞ!!」と激を飛ばすわけですが──301部隊を設立して初の戦死者を出すことになるとは誰が思おうか!

『イブニング』連載、「紫電改343」の第27話
菅野隊長、敵機の大編隊を前にして覚醒す! あまりに機敏な動きのために付いていけない機体が続出する中、一機だけが離されまいと必死に食らいついていた。それが日光安治 上飛曹です。菅野もそれを認め、俺の機動に張り付いてこれれば敵の弾は当たらねェ、獲物はオレが見つけてやるとお膳立てをするつもりだ。
そのお膳立てとなる相手は呉を攻撃せんとするトーマス・E・モブリー少佐が指揮するF4U コルセアの大編隊。菅野・日光の編隊にスキが無いことから かなり練度が高い連中だと判断。

ならばサッチ・ウィーブで葬ってやろうとフォーメーションを組みます。これを簡単に説明すると4機による戦闘法。2機が引き付け役となって逃げていき、すれ違う格好でアタッカーのもう2機が好位置から撃つというやり方です。
その狙い通りとなって菅野と日光が絶体絶命と思いきや、引っ掛かったのはコルセアの方でした。アタッカーの2機に杉田庄一らの2機が襲い掛かったのだ。つまり掟破りの逆サッチ・ウィーブ! これによりコルセアは被弾して黒煙を吐きながら戦線離脱をするのでした。

危機を免れた日光。杉田はよく耐えたと褒めます。301空のみならず343全てのパイロットでもっとも撃墜数の多い杉田から褒められたのだから、日光はさぞかし嬉しかったことだろう。
片や敗れたモブリー少佐は今の日本にこれほどのスゴ腕パイロットが残っていたことが信じられません。

何者だ!?コイツらは
我々を凌駕する編隊戦闘の戦技レベル
そして…それをささえる すさまじい闘志!!
全滅!? 全滅するぞ このままでは──!!
攻勢が続く中、呉の市民も地上からこの戦いを観戦していた。物知りそうな爺さんは「あれは零戦じゃねェ 海軍の切り札 紫電改じゃ」と自慢する。が!

「紫電改も弱点はある」と不吉な言葉。えーと、誰? 搭乗経験者か開発関係者しかわからないと思うんだけど。それを裏付けるように逃げるモブリー少佐隊への攻撃がパッタリと止まってしまった。いったい何が起きているのだ!?

『イブニング』連載、「紫電改343」の第26話
今回は巻頭カラー。菅野の他、301の面々も描かれてますが…実はこの4人のうち2人がこの戦いで帰らぬ人に。何かと初陣の3月19日の空戦は大戦果が伝えられるけど、合計16名が犠牲になっていることから手放しで喜べないんですよ。その16名には前回描かれた彩雲で体当たりした3人も含みます。
体当たりして敵を沈めたということで紹介したいのが八幡空襲の屠龍。昭和19年8月20日、北九州の八幡を爆撃しようとB29が接近。民間人への被害を食い止めるべく屠龍に乗った野辺・高木の両名は我が身を犠牲に体当たりを敢行! 一番機を屠ったばかりか、その破片が二番機の尾翼に当たったことでこれまた墜落。一度の体当たりで2機を墜としてしまいます。戦後、市民が両名を祀る「体当たり勇士の碑」を建立してるので市民なら行ってみてください。場所は北九州市八幡西区です。
23話にて颯爽と飛び立ったかに見えた菅野の戦闘301。でも実際は違いました。

エンジンの回らない機が滑走路を塞いでるということで、整備員たちは人力で退避させてからようやく出発。鴛淵たちとはだいぶ離されてしまいました。そこに無線が入り敵の約百機が豊後水道に入ったとのこと。もう目の前だ!
先発した鴛淵・林の戦闘701・407ならば既に優位な高度に達しているから万全な態勢で戦えるだろう。けれど俺たちは発進したばかりで高度が取れていない。不利な高度での空戦は絶対にヤッてはいけないことから鴛淵たちとの合流は断念します。

その代わりに上空付近で旋回しながら高度を確保。先発隊が撃ち漏らした敵や、別ルートから呉を狙ってくる敵編隊らを一網打尽にすることにしました。

その目論みは当り敵機を撃破する菅野。描かれてないけど戦闘機が待ち構えていたことから爆撃機は爆弾を瀬戸内海に捨てて逃げ帰ったのも居たようです。
その戦いぶりに「菅野隊長が覚醒しちまった」と、並みならぬ動きをしていたみたい。ただし「デストロイヤー菅野」の異名は健在で、火災によって機体を捨ててます。
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