相撲
2chなどにて「ジャンプの打ち切り作品で印象にあるのは?」とかいう話に必ず上がってくると思われるのが、作・ガチョン太朗の「大相撲刑事(おおずもうデカ)」でしょう。勢いだけで突っ走り、そのまま10週で走り去ってしまったのは逆にインパクトがあったのではないだろうか。

この作品が掲載されたのは92年。バブル崩壊によって景気は悪いとはいえ、相撲は貴花田・若花田の活躍で相撲ブームの真っ只中。ジャンプはドラゴンボール・スラムダンク・幽遊白書の三枚看板によって前年度600万部を突破。この年は618万部まで伸ばしました。
この92年のジャンプの主な出来事といえば
・「モンモンモン」「究極!変態仮面」「ボンボン坂高校演劇部」連載開始
・「サイレントナイト翔」連載開始するも13回で打ち切り
・「電影少女」終了
といったことがありました。
相撲1
 10週打ち切りについて笑うガチョン太朗
さて、前述通り大相撲ブームの真っ只中に始まったのが「大相撲刑事」。全掲載リストは下記になります。
・91年増刊オータムスペシャル(二話収録)
・92年少年ジャンプ14号(読み切り)
・92年少年ジャンプ40~49号(10週打ち切り)
*単行本には14号の読み切り以外の全てを収録。よって14号をお持ちなら価値があるかも?
相撲2
初期のレポートネタ。「それで罪は軽くなるんですか?」「ならん!!」と突き放すのが面白い

言っちゃ悪いけど絵はとにかく雑。「GAGキング」初期の出身者で先輩に画太郎先生とかつの丸先生とかいらっしゃいますが、それと比較しても雑すぎる。細かなこと言えば画太郎先生は細い線で雑、ガチョン太朗は太い線で雑。どっちが見栄えが悪いかといったら太い線なんです。画太郎先生の絵は汚く見えるけど細い線でよく描き込まれてます。

新米刑事・今井は日本一検挙率の高い星野捜査課長に憧れて刑事となり、初手柄となる殺人犯を捕まえて浮かれ気分。しかし課長は身なりに気を取られてそんなことなどお構いなし。何でもかつての教え子刑事がFBIから戻ってくるとのこと。
今井もどんな刑事か想像しているところ、ナント空から土俵と相撲取りが落ちてきたではないか! そう、ヤツこそFBI帰りの刑事・関取だった。

この関取(大相撲刑事)、人の話など聞く耳持たず常にマイペース。何かと大声を上げて相手をビビらせて独自の相撲理論を語りだす始末。今のジャンプに例えるなら間違いなくボーボボ系でしょう。
初期のオチは悪人に対し
「明日までレポート○百枚書いて来い! タイトルは「○○だ」」
「それを書くと罪が軽くなるんですか?」
ならん!!
と突き放してました。

特筆すべき点は
・女性キャラが全話通じて一人しか出て来ない!
・捜査課の中央に土俵がある。課長の机は黄金のマス席(課長の声は理事長の声)
・自動車運転は無免許。「地球を汚す乗り物に免許など必要ない」との考えから
・飛行機に乗る時は座席には座らず、土俵を持ち込んでその上に座る
etc・・・
とにかく勢いとインパクトだけは他の追随を許さないこの作品。もし古本屋に置いてあったら必ず手にしてください。きっと「何コレ?」と思われることでしょう。
尚、連載終了して3号後に小畑健先生の「力人伝説 -鬼を継ぐ者-」の連載が"口直し"のように始まったことを付け加えておきます。