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『週刊コミックバンチ』連載、「伊達の鬼 軍師 片倉小十郎」の1巻です。
『コミックバンチ』で最近好きなのがこの漫画なんですよ。ハヤリの戦国武将もので一番人気は伊達政宗であることは周知の通り。先月末に発売された『ガンガン戦(イクサ)』では正宗ものが5作品もありましたし。
でもこの作品は正宗ではなく正宗に生涯仕えた名軍師・片倉小十郎を主人公にしており、正宗との堅き絆を描いてます。なんたって絵が美麗。綺麗すぎて女性向けかと思えるほどです。描いてる田中克樹さんは『コミックガム』で「シノブグサ」を描いてましたが今年の9月号で打ち切られ、ほぼ同じくしてこの連載がスタートとなりました。捨てる神あれば拾う神ありってところでしょうか。

場面は伊達の家臣に捕らえられた小十郎から始まります。当時の正宗は9歳、小十郎が19歳の頃。正宗の右目は既に疱瘡(天然痘)で失っており、膿んで醜く飛び出していた。小十郎はこの右目をこともあろうに短刀で抉(えぐ)り取った罪で捕らえられていたのだ。
一歩間違えば死んでもおかしくない行為に家臣たちは死罪を追及するも小十郎は「右目の憂いがなくなれば 将来は必ず名君となりましょう」と言い放つ。正宗はこの右目のせいで気分が晴れず暗く内向的な性格になってしまっていた。小十郎はこの悩みを解決するために右目を抉ったのですね。

これは実際に伝えられている話です。真偽は定かではないものの主君のためを思ってこその行為に小十郎の熱い忠義心が表されています。ここに正宗がやって来て死罪を願う家臣たちに言うセリフにグッときますね。
 この梵天丸(正宗)のためにやってくれたのは小十郎だけである
 今日より小十郎はこの梵天丸の右目であるッ!!!
 オレの右目をさらに抉る者こそ 死罪と心得よ!!

醜い右目のために人前に出るのをためらっていた時とは打って変わって堂々とした態度。右目を抉って気分を晴らしてくれた小十郎への感謝の気持ちを身をもって示したのです。なんという二人の熱い絆なんでしょう!
後に「独眼竜正宗のあるところ 必ず傍らに片倉小十郎あり」と言われるように、二人の主従の絆はこうして結ばれたのかもしれません。
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また別エピソードでは鬼になりきれなかったばかりに君主の出兵を止められなかったという武田の名軍師・山本勘介の話を聞いて正宗は興奮。
 小十郎は鬼となれ そしてオレは不動明王となる!! との言葉に小十郎も
 不動明王でも過ちの道を進まんとするならば 刺し違えてでもお諌め致すがよろしいかッ!?
と言い返します。普通 主に向かって「刺し違える」なんていいますか? ここでも二人の関係が単なる主と家臣の関係ではなく親密な間柄なことが感じられて熱いものを覚えました。

戦国時代の友情とでも言いますか、いや、それ以上の堅い絆で結ばれている正宗と小十郎の物語を感じてみてください。2巻では初出兵した正宗にピンチが訪れるのですけどそれを小十郎が…。待ち遠しいなぁ。
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