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『週刊漫画ゴラク』連載、「激マン!」《デビルマンの章》の第4話
今回はデビルマンの原典である「魔王ダンテ」が作られた経緯と、"悪魔とは何か?"を考えるエピソード。その前に冒頭ではデビルマンの連載が始まった1972年6月当時の、ダイナミックプロのスタッフ一同が描かれてます。ダイナミックプロ、それは漫画や原案の製作集団であって決して永井豪のアシスタント集団ではありません。詳細はダイナミックプロ(Wikipedia)を読んでいただくとして多数の漫画家が輩出されました。石川賢はその代表格といえますけどこの時点では既に退社してるので描かれてません。

スタッフには翌年に学年誌で「ドロロンえん魔くん」を描くことになる小山田つとむや、75年に「鋼鉄ジーグ」を永井豪と共作することになる安田たつや(達矢)など、今でも知られる人物が揃ってますね。中でも個人的に上げたいのが上の画像の二人。左はチーフアシスタントの真樹村正。「ジャンジャジャ〜ン ボスボロットだい」はその世代ど真ん中の私にとっては懐かしい~! ちょっとエッチな展開もあって好きでした。
右は風忍。あの「地上最強の男 竜」の作者だ! へ~漫画はああでもこんな優しい顔をしてたんですね。え? それが何だかわからない? わからないのなら下記HPをご覧になってください。この作品がいかにぶっ飛んでるか身を持って知ることになるでしょう。
 地上最強の男 竜(原始の花嫁)

先ずは「魔王ダンテ」が作られた経緯から。一年半前の70年末、『週刊ぼくらマンガ人(実際には『ぼくらマガジン』)』の編集長・内高勝(内田勝)からどんな作品でも良いからと依頼が来たのが始まり。"週刊少年マガジンの弟分"として発行してるものの部数が伸び悩んでおり、テコ入れとしての要素が高かったんでしょう。

「ハレンチ学園」のヒットで依頼される漫画はギャグばかり。本当はストーリー漫画を描きたかった激にとってこれは渡りに船の大チャンスなんです。しかし週刊連載が3本あったところを2本に減らしたばかりなのにまた3本に戻すのはツライ! ここで使えるアシスタントが居ない胸のうちを吐露してるのがこのセリフ。
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ちょwww 五十子クンって五十子勝のことでしょ? 気分屋でしょっちゅういなくなってたとは笑えます。でもメカデザイナーとして後のマジンガーZで活躍するのでこの名前は覚えておいてください。
ストーリー漫画は背景もリアルに描かなければならないけどそこまで描ける余裕がない。アシスタントに教えようともその時間すらままならない。悩んだあげく考え付いたのが巨大なキャラ!
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キャラが大きければ大きなコマでページを埋められるし背景が荒っぽくても気にならないと、苦肉の策で連載にメドを立てました。当初は怪獣ものの予定でしたが普通に描いたらゴジラのマネと思われるのがオチ。ならばと思い付いたのが悪魔で、それが「魔王ダンテ」の始まりだったそうです──
ってことはマジンガーZも似たような考えで始まったんですかね? でもこれが後に世界的に知られる作品になろうとはさすがの当人も思ってなかったことでしょうよ。

そして"そもそも悪魔とは何か?"を考える件。中世ヨーロッパでは魔女狩りがあり十数万人もの女性が殺されたという。これではどっちが善で悪なのかわかったもんじゃないと心理面を錯綜。(これは美樹が殺されるシーンに繋がりますね。結局は人間も悪魔と変わらないといったところか)
造形的には現実にいる動物などを組み合わせたものが多い。動物・植物・鉱物など組み合わせて合成すれば…と思いついたのが「合体」でした。
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人間は道具を手にすることで進歩したように、デビルマンにおける悪魔とは合体能力によって自らを強力な武器へと変えていったと定義づけます。これが明確に示されたのはシレーヌとカイムの合体でしょう。こう考えるとシレーヌというキャラは漫画版デビルマンにおいてデザイン的にも内容的にも重要な存在だったと改めて思いました。 つづく
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