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『good!アフタヌーン』連載、「なにかもちがってますか」の1巻です。
同時発売された「のりりん」2巻のエンジョイ系な作品と違って、「なるたる」「ぼくらの」と同系列な、鬼頭莫宏氏っぽい息の詰まるストーリー。タイトルが変ですけどこれはサブタイトルでもそうでして「こんなはずじゃなかったもに」「うそつきはどつぼぅのはじまり」などと、必ず1~2文字がおかしくなってます。これは主人公同様"正常じゃない"ことを表しているのではないかと。

中三になったばかりの日比野 光が主人公。彼は物心ついた頃から何かがギクシャクしてることに悩んでいた。原因がわからないまま人に言えるわけでもなく今まで過ごしてきたのですが、もう一人の主人公である転校生・一社 高蔵(上の画像で表紙にもなってます)と出合ったことでとある能力を開花させます。

と、その前に一社の性格が何かと問題なんだな。平気で不良グループに喧嘩を売って机を持って暴れるなど、非常に暴力的。それは本人が不良というわけでなく自論の考えに基づくゆえの行動であって、愚かな人間は死ぬべきだ・殺しても構わないとさえ考えてます。
端的にぶっちゃければ大した考えもなくツッパっているのではなくそういう思想を持って行動しているだけに、並みの不良よりタチが悪いってことですね。もっとも机を持って暴れたことが日比野の能力を開花させたわけですが。

その日比野の能力とは…一言で言うなら特殊なテレポーテーション。身の回りの何か(足元のコンクリートとか砂とか)と目標物とを交換してしまう「どこかとどこかを入れ替える能力」です。まだ使い慣れぬ能力だけに誤って同級生を殺してしまって(脳幹にコンクリートが埋まっていた)苛む日比野。自首さえ考えるものの思い留めさせたのは一社。その能力を世の中の間違いを正すために使えと言う。
そうして行動を起こし始めるのは
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車を運転しながら携帯電話を使っているヤツを殺すこと!
もちろんソレは犯罪だろう。しかし捕まったところでその犯罪をどうやって証明するというのだ? 世の中 犯罪と知りながら実行している者が多すぎる。危険運転と知りながら実行しているのだから殺したところで文句はないだろうと言う一社。自分なりの正義を信じてそれに同調する日比野。
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こうして二人の正義は実行されていくのですがその殺した相手の中にある人物が居たことから愕然とする日比野。一気に現実に戻されたことである決意をする…

サイレントホラーと言いましょうか人知れず殺人を犯していく二人に寒いものを感じます。「なるたる」「ぼくらの」よりはSF的ではありませんけど"内面をえぐった作品"としては負けず劣らずの出来ではないでしょうか。
尚、鬼頭莫宏氏は愛知県出身だけに登場人物の名に新瑞橋・亀島・一社・高蔵(高蔵寺)・日比野などが出てきており、愛知県民なら是非とも読んで欲しいなと(笑)
なにかもちがってますか(1) (アフタヌーンKC)  のりりん(2) (イブニングKC)
なにかもちがってますか(1)  のりりん(2)
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