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『娘TYPE』連載、「ストライクウィッチーズ零(ゼロ) 1937扶桑海事変」の第6話
前回の温泉話でも一人だけ浮かない顔をしていた竹井醇子──醇子ちゃんが今回の主役です。美緒や徹子より一つ年下ということもあるけれど、明らかに技量不足な腕前に徹子はおかんむり。
 「よく選抜に選ばれたな」「本当は親の…」
などと言われてしまい返す言葉がありません。また陸軍チームの部屋からも
 「今の状況じゃ"居ない方が"安心して飛べる」「あの子って海軍のお偉様の子女なんでしょ」
との声に悔しくて泣きながら宿舎を飛び出してしまう醇子です。

腕がないのはわかっている。だって特別 魔女になりたかったわけじゃないのだから──。ここで回想が入ります。
私に魔法力が発現したのはたまたま。講導館で美緒に会い、上手く魔法力が使えなくても強い姿に憧れて私もいつかあんな風になれると思ってた。
 
 でも実際は違った

不器用な私と、魔法力が上手く使えない美緒とは似たもの同士だと勝手に思い込んでいただけ。苦手を克服し着実に進歩していく美緒や徹子とは離されていくばかりだ。
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もしこのままずっと追い付けないなら… 私はもうあそこには居られない…
遂には嗚咽してしまう醇子ちゃんです…。ここで醇子のモデルとなった笹井醇一氏について簡単な説明を。父親は海軍造船大佐、義理の叔父が中将という良家に育ち、士官として台南航空隊に着任。そこで部下になる加藤三郎氏から階級を越えた戦闘機乗りの指導を受けてメキメキと腕を上げていったそうです。加藤氏が怪我をして隊を去る時に「貴様と別れるのは貴様よりもつらいぞ」との言葉を残したのはあまりにも有名。
最期は敵基地上空にてマリオン・カール大尉の乗るF4Fと一騎打ち。くしくも撃墜されてしまいます。戦後、教官となった大尉はこの一戦をよく話に出して「最後まで気を抜くな」との教えを説いたそうです。

そこへ通りがかったのは陸軍チームの隊長・江藤さん。連れ戻して熱いコーヒーを差し出して泣いていた理由を訊きだします。江藤さんはその理由に対して「エースになるのもエースを影から支える人たちも同じぐらいに立派な存在」だと、必ずしもエースにならなくてもいいことを伝えるのでした。
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これによって自信を取り戻す醇子ちゃん。この件がきっかけかもしれませんけど、後に醇子は戦闘指揮の能力よりも部隊の管理や運営・調整といった裏方の方面にて才能を開花させるのでした。出来ないことを続けていくのもいいですけど、別のやり方を見つけてやっていくのもいいということですね。 つづく
娘TYPE 2011年 05月号 [雑誌]

角川書店(角川グループパブリッシング) (2011-03-30)
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