上映が始まって三週間あまりになってようやく観てきました。あ、ネタばれがあるのでご注意ください。
冒頭からいきなり大和の最期の戦いである坊ノ岬海戦から始まります。ここで描かれるのは25ミリ機銃の隊員たち。いくら撃とうが滅多に当たるものじゃありません。当たったところでパラシュートで脱出した飛行士にはすぐさま救助飛行艇が駆けつけて飛び去っていく。これを見せつけられた隊員は驚くと同時に、戦闘員に対する考え方の違いと国力差を思い知らされるのでした。

左舷に集中砲火を浴びた大和は大きく左に傾いていき、甲板の船員たちは次々と落ちていく。落ちまいとぶら下がるけれど力尽き、あちこちぶつけながら落ちていく姿は痛ましかったな。生き残った人によれば甲板は爆撃によって血の海になっており、肉片が散らかっていたというじゃないですか。さすがに映画ではそこまでの描写はないけれど、転覆して船体が折れて大爆発する姿を 落ちた隊員の目線から描いたのはリアルそのもの。つーか、ここまでリアルに大和の最期を描いた映画も珍しいかと。

さて、本編は言うまでもなく巨大戦艦を作ろうという推進派と、戦艦よりも空母にすべきという反対派との争い。双方の予定建造費を比べてみると戦艦の方が空母よりも安くなってる! そりゃおかしいだろうと反対派は非難するけれど、推進派は揺るがない。だって本来なら公平であるべきの海軍大臣が推進派なのだから。

そこで反対派の山本五十六は100年に一人と言われる天才数学者の櫂を招き、数学の面から新造戦艦の建造費がデタラメであることを証明することになります。けれど反対派からは詳しい資料の提出が無いばかりか、ことごとく関係者に口止めして四面楚歌状態の櫂。それでもやっとのことで協力者を得るも、今度は決定会議の日時を早めて あくまで櫂のやることを妨害し続けます。
このような苦難・試練に遭いながらも会議の席において大逆転の真実を発表するところは非常に胸のスカッとするところ。この映画を爽快娯楽映画で終わりたいならここでの退席をお奨めします。

けれど史実において新造戦艦の大和は造られてしまいます。それが会議の後の約10分。なぜ大和を造らなければいけないのかが語られ、これには櫂も観客も納得してしまう説得力があるのですよ。その結果、考えさせられて映画館を後にすることになるのでご注意ください。つまり爽快感のまま終わりたいなら会議のところで退席し、重々しい気持ちになりたいなら最後まで居ろってことで。

あと細かな点。
・山本五十六が日露戦争で左手の指二本を失くしたのは知っていたので注視してたけど、最初からありませんでした。やはりそういうミスはしないか。
・大和が新造された姿は両舷に副砲あり。やはりここでも25ミリ機銃をゴチャゴチャつけるようなミスはしないね。
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