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『イブニング』連載、「紫電改343」の第23話
昭和20年3月19日早朝に飛び立った偵察機・彩雲。エンジン不調により一機だけ遅れて発進したのが4号機でした。乗っているのは機長の高田少尉の他、影浦上飛曹と遠藤上飛曹の三人です。高田少尉は昨夜、源田司令が橋本隊長に言った言葉を披露する。
必勝に通ずるは情報である! 時間の過ぎた情報は報告という
報告はいらん! 偵4に期待するのは情報である!

これに感激する影浦・遠藤の両名。ならば我々が絶対に見つけてやりましょうと、双眼鏡を手に何処に現れるやも知れない敵機を捜索。どれぐらい時間が過ぎただろう、影浦がちらっと光った何かを目撃する…

その偵4からの報告を無線室で今か今かと待っているのは源田司令でした。
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なかなか返事が来ない状況に「今日を…外しましたかね…敵は」と志賀飛行長。けれど源田は今日、必ず来ると信じて疑わない。でも不安が全く無いわけではない。一機が発進遅延し、一機が引き返したことから見落とした可能性があるからだ。航続時間が短い戦闘機を敵の発見前に出撃させる訳にもいかん。戦闘機隊が空中で会敵するまでできれば30分、少なくとも10分は欲しい。
だから敵の情報がいち早く欲しいのだ!

そこに待ちに待った報告が入る。それはもちろん遅延発進した4号機からでした!
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影浦上飛曹が発見したのは敵の大部隊。ミッドウェイでも敵空母を発見したのは遅延発進した偵察機だったことから「残り物には福がある」ということだろうか? ともかく4機出撃した彩雲で4号機だけが発見できたわけで大金星と言えるだろう。もちろん4号機の役目はこれだけではない。その後も敵に張り付いて最新の情報を送り続けることこそ、偵4の存在意気を証明するというものだ。見つかっても最新機の彩雲の最高速度は654キロ! グラマンが追いつける速度ではないと胸を張ります。
但しエンジンが好調の場合のみに限りますが──(意味深)

よくやってくれたと源田。さぁ松山基地は一気に慌ただしくなります!
全飛行隊 サクラ(紫電改) サクラ(即時待機)  サクラ(紫電改) サクラ(即時待機)
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全飛行隊 シキシマ(全機始動)  シキシマ(全機始動)

紫電改 全機の誉二一型エンジンが回転して周囲は騒音以外 聞こえない。整備員が引込脚の車止めを解除して滑走路へと数珠つなぎに移動して行きます。
決戦の日ここにあり
サクラ サクラ ニイタカヤマノボレ(全機発進)!


戦闘701維新隊 鴛淵一番  第一中隊16機発進する
戦闘407天誅組 林一番  第二中隊16機これに続け!

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戦闘301新選組 菅野一番! 第三中隊21機いくぞォ
こうして53機(全てが紫電改ではなく一部は紫電が混じっていたとか)が大空へと舞い上がり、北上してくるグラマンを迎え撃つことに。けれどこれよりも先に偵4の4号機が会敵してしまうとは誰一人とてわかるハズもないだろう…
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