廃墟少女  尚月地の美麗作画が冴える短編集

haikyo130203
『ARIA』に不定期掲載していた尚月地(なお つきぢ)さんの読み切り4編を集めた短編集です。
尚月地さんといったら『ウィングス』連載の「艶漢」が代表作。初めて見たとき、その美麗な絵に心を奪われたものでした。その尚さんの短編集です。

『廃墟少女』
表題作。少女・廃墟と聞いただけで脳内でドーパミンやらアドレナリンやらが分泌しそうな人はいらっしゃるでしょうか。別に恥ずかしいことではありません。ネット上でも↓けっこう居るようですから。
 「廃墟」+「女の子」の二次元画像
どこか恥辱的なイメージがあり、かつ幻想的な雰囲気も感じられます。それが尚さんの絵で描かれるのだからタイトルだけで期待するのは当然でしょうよ!

3年前に廃墟となった工場に監禁された過去を持つ風子。犯人は未だに捕まっておらず、その男の顔もショックで思い出せていません。そして再び同じ廃墟に監禁されてしまいます。ただしそれをやったのは友達の百花。どうして百花がそんなことをするのか? 何があったのか記憶が徐々に蘇っていくと共に、衝撃の事実を思い出す!
尚さんの描く廃墟は瓦礫というよりもアート。推理要素も加わって表題作に相応しい秀作です。
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『音楽が見える男』
うって変って初老の男性音楽教師が主人公。ある男によって音楽が映像として見えるようになってしまい、何もない空間に慌てふためくその行為に周囲からは変人として扱われてしまいます。しかし絶望の中で自分が本当に何をしたかったのかを思い出し、思いを込めて音楽を奏でた映像が上の絵です。
これこそ尚月地の真骨頂! まるで海外のどこぞの教会の天井絵のようです。漫画というよりもはや芸術であり、そこにシビれる憧れるんですよ。

『箪笥少女』
これまた『廃墟少女』のように推理的な一面もある和風な幻想漫画。精神科医の兄がなぜか箪笥の中で目隠しをして死んでいた。その患者だった少女の こづえは、弟を兄だと思い込む。何度か会っているうちに こづえのことを好きになっていく弟。そしてどうして兄が目隠しをしていたのか知るのだった──
箪笥の中でしか寝られないという こづえ。その妙な、影のあるところが魅力な作品です。
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『帽子の上の丘』
守銭奴な帽子職人の男が国王に製作を依頼されて向かう途中、森に迷い込む。ここから脱出するには出会った者 全員に帽子を作らねばならないとのことで作るわけですが、そう簡単に納得してもらえる物ができません。何度か作っていくうちに母のことを思い出し、今まで思い上がっていた自分を戒めるのでした。
これまた帽子を奇抜なデザインにしているのが尚月地らしいところ。こういうところも見逃せません。
廃墟少女 (KCx(ARIA))
廃墟少女 (KCx(ARIA))
posted with amazlet at 13.02.03
尚 月地
講談社 (2013-01-25)
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