チェイサー 2巻 手塚のアニメ進出に流石にマネができない海徳

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『ビッグコミックスペリオール』不定期連載、「チェイサー」の2巻です。
手塚治虫を勝手にライバル視している漫画家・海徳光市! その実は手塚ファンなのだけど対面的には批判したり気にしてないフリをするなど、心情においては嘯(うそぶ)いてる連続。またすぐ形から入る性格で、1巻では手塚がステレオを買ったと聞いたらステレオを買い、寝そべって描いてると聞いたら自分も寝そべって描くなど、マネをしたがるんです。それでいて偶然だとやはり嘯(うそぶ)くのだから困ったもんだ。

今回も前半はそんな調子。手塚が結婚したことに自分も結婚したいと担当に世話してもらって、バーのママと結婚へ。このママが意外にもよく出来た性格のため海徳は幸せ者だこと。子供が生まれたのが手塚よりも早かったと喜んでおり、どこまでライバル視してるんだよと言いたいね。
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またこれは手塚のマネ。旅先からアシスタントに○ページのどこには何を描けと細かく指示していたということで、自分もわざわざ宿をとってそこから指示を出していきます。気分だけは超売れっ子漫画家になったつもりなんでしょう。結果、上手く伝わっておらず全て描き直しに。こんなことならやるべきじゃなかったですな。

手塚をライバル視してきた海徳ですが、後半の1962年ともなると流石にマネができなくなります。それは手塚のテレビアニメへの進出。アニメ製作の虫プロを作ってアトムをアニメ化し始めたのです。
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これは1963年の1月1日のこと。海徳の家に担当が集まって、午後6時15分から始まった鉄腕アトム1話を観ているところです。アトムが動いてることに担当一同が驚いてる姿は、恐らく漫画家・コージィ城倉の実体験じゃないだろうか。それだけインパクトある出来事だったんでしょう。

けれどこれを東映動画の人は評価しません。逆に「電気紙芝居」とこき下ろします。それは動いてないから。普通なら数百人体制で作るものなのに虫プロでは20名程度で作っており、絶対的不足を"3コマ撮り"で誤魔化してるからです。でも視聴者にとってはそんなこと関係ないようで回を追うごとに視聴率は上昇しっぱなし。それがかえって東映動画の人の心象を悪くします。
また手塚の最大の悪しき行為と言えるものも描かれました。
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アトムを東映が請け負ったら1本200万はしただろう。けれど虫プロではその4分の1で引き受けてるらしい。これは手塚がどうしてもアニメをしたかったから。本人はその赤字分を漫画で補ってるからいいものの、他社にしたら相場の値崩れの元凶でしかなく、それが現代まで続くアニメ製作費の低迷に繋がってます。まぁここんとこは各個人の意見もあるでしょうから深くは追求しませんが、これが大きな分岐点だったのは間違いないところかと。

なんか話がズレた気がしますがアニメ製作に乗り出した手塚に対して、海徳もロボットアニメの企画を出しました。果たしてこの企画は通るのだろうか!? この続きは3巻へ。
チェイサー 2 (ビッグコミックス)
コージィ 城倉
小学館 (2014-07-30)
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