カツシン さみしがりやの天才(スター) 2巻 インタビューで触れる勝新太郎の真実

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『月刊コミック@バンチ』連載、「カツシン さみしがりやの天才(スター) 」の2巻です。
97年に亡くなった カツシンこと勝新太郎はどういった人物だったのか? 関係のあった人物にインタビューして実録マンガにしたのが当作品。漫画家は「ブラック・ジャック創作秘話」 で「このマンガがすごい!2012」オトコ編の1位に輝いた吉本浩二氏なので、あの時の雰囲気そのまんまで楽しめます。

この2巻は4エピソードから成り立っている中、3エピソードを紹介しますか。最初は かつて東京・赤坂にあった豪華ナイトクラブ『ニューラテンクォーター』の社長から。この店はwikiにも書かれているほどの名店で、社長とカツシンとは兄弟分だったそうだ。また力道山が刺されたのがこの店で、社長はその現場を見たというのだからそっちの方面でも興味があります。
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ある日、各映画会社のビッグスター4人が同じテーブルで酌み交わすことがあったそうで何とも豪華な顔ぶれだこと。カツシンは酔っていても他のスターの一部始終を観察していて、あわよくば自分の演技に取り入れたいと思っていたらしい。カツシンは破天荒なイメージがありますが、こと演技にかけてはいつも真剣だったように思えます。

次はNHK大河ドラマ「独眼竜政宗」で競演した渡辺謙とそのスタッフから。カツシンは台本を読んだ上で自分で演技を考える役者。何しろ自分で脚本・演出・編集までしてしまう人ですから。事実、テレビシリーズの座頭一では自ら多くの脚本・演出を担当してます。これは悪く言えば自分勝手なんですけど、そうであってもスタッフが反論できるわけがない!
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脚本なんてあってないようなもの。撮影時にはカツシンがどこに動いてもいいように専用のカメラが用意されており、スタッフ一同 撮り直しは無いものと思って異常な緊張感な中で撮影したようだ。
渡辺謙演じる政宗と カツシン演じる秀吉とが初対面した場面はリハーサルもない一発本番。ここでも もちろんカツシンは自分で思い描いた秀吉で演技します。
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ふいにセットの隅で立小便(の演技)をし始めて、その際に脇差しを政宗に手渡します。もし下心があるなら後ろから刺してもいい、しかしそうしたらわかってるんだろうな? というセリフを眼で語って政宗を屈服させるのですよ。二人の上下関係をセリフではなく眼で語ったこの演技、考えた上で行動したのですから見事な演出だと褒めずにいられません。

最後は松田優作との関係を美由紀婦人から語られました。二人が競演した事は無かったようですが、優作はカツシンを尊敬していて 店で飲んでいるときは後ろでずっと立っていたそうだ。席を一緒にするなんてとんでもないと思っていたんじゃないですかね。
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二人とも役どころは違っていても、演技にかけては真剣そのもの。役に成り切るために優作は歯を貫き、カツシンは坊主頭になったこともあります。前述しましたがカツシンは破天荒なイメージの反面、繊細な面も見受けられました。二人はある意味"似た者同士"だったので交友があったかもしれません。
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吉本 浩二
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