チェイサー 3巻 手塚をマネてセル画塗りの内職をしたり原稿をあえてボツにする

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『ビッグコミックスペリオール』不定期連載、「チェイサー」の3巻です。
外面的には手塚治虫が嫌いとしながらも、実際は大好きな漫画家・海徳光市。だから手塚が○○をしてる(例えば原稿を数本同時に進めるとか)と聞いたら、自分も同じことをしようとするも大抵は失敗。手塚の偉大さを思い知らされるといった繰り返しのリアル漫画家コメディ。

この3巻は1963~1965年の出来事について。63年に鉄腕アトムのアニメが始まったことで世は正にアトムブーム。
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数多くのグッズが出ていることに驚きを隠せない海徳。自分がアニメをやってみたいからと、安い制作費で請けたものだから「手塚はクリエーターしては天才でも、経営者としては幼稚園児以下」なんて言われてたらしい。これが原因で今でもアニメ制作は安価に抑えられており、宮崎駿は何かと生前の手塚と言い争ってましたっけ。
でもここではアトムグッズの氾濫で手塚プロには莫大なロイヤリイーが入ってたらしく、「手塚はこれを予想して制作費を安価にした」「手塚は経営でも天才だった」なんて声も。いやいや、それは偶然だろうと思わずにいられなかったよ。

これに刺激されて自分もロボットアニメの企画を立ち上げた海徳。これに乗り気なのが少年画報社で、今度 第三の少年週刊誌『少年キング』を創刊するからここにソレを連載するという話が持ち上がります。実在する出版社に実在した少年誌、これを織り交ぜながら話に盛り込むものだから「海徳って実在したの?」と思えてしまうのがこの漫画の妙ですな。
ロボットに人が乗り込むという設定で、考えていた搭乗法の一部がコレ↓です。
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上のは一人乗りのロケットが首のうしろから挿入するうにドッキング。はて、今でも劇場版が作られている某作品じゃないですか? また下のはロボットの腹の中で操縦者が手足を振るって戦うというもの。若い世代ならGガンダムと思うかもしれないけど、第二次特撮ブーム期の某特撮作品だからね。

1965年になってテレビアニメの本数はどんどん増えていった。手塚作品も新たに「W3(ワンダースリー)」が始まり、日本初のカラーテレビアニメ「ジャングル大帝」も制作決定。アニメが活気帯びている風潮に海徳も手を出さずにいられませんでした。
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漫画を描く一方で、セル画の絵の具塗りの内職なんて始めてしまいます。これというのも手塚はアニメの原画も描いているなんて声から。ちなみに塗っているのは「宇宙パトロール ホッパ」です。私はギリ見たような記憶が。
この時期、虫プロには約500名ものアニメーターが勤めていたんだとか。だからアニメと漫画の両方をやることが海徳にとっては時代の最先端に見えたんじゃないですかね。でもアシスタントに諭されます。手塚はアニメーション作家であっても、海徳のやってることはアニメーション作家とは言えない。ただの下請けだと。また担当にこの内職がバレたことから手を引くことになるのですが、これはやめて正解でしょう。単価が低いのでそれこそ数多くこなさなきゃやってられませんって。

最後の方では手塚が原稿を完成させたのに納得いかないからボツにしたという話を聞いて、海徳も当然マネするわけだ。
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気取ってボツにすると言い出します。それを必死に食い止める担当。結局はもったいなくてOKにするのですけど、こんなところまでマネしなくてもいいだろうと思うのは私だけじゃないですよね。
チェイサー 3 (ビッグコミックス)
チェイサー 3 (ビッグコミックス)
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