角栄に花束を 1巻 若き田中角栄の成り上がり人生ストーリー

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『ヤングチャンピオン』連載、「角栄に花束を」の1巻です。
田中角栄と訊かれて「昔の政治家」と答える人がほとんどでしょう。しかもイメージを悪く感じてるのは間違いないところ。でも聞いて欲しい。最初から悪いことをしようと政治家になる人なんて居ません。まして小学校卒業の身で総理大臣にまで のし上がった人物なんて、後にも先にも田中角栄しか居ないことだろう!
つーか、作者の大和田秀樹氏は「疾風の勇人」で池田勇人を描くなど、多くの資料を読み込んだ上で政治家を描くのが好きになったのかな??

物語は昭和9年、角栄が15歳で上京した時から始まります。理化学研究所所長の大河内正敏子爵の書生になる(住み込みで雑用しながら学校へ通う)ハズだったのが、何かの手違いで無かったことに。
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いきなり目的が無くなってしまうも このまま帰れるわけも無し。仮宿の土木業社に「なんでもやります」と頭を下げて雇ってもらうよう懇願します。この時代は再建築ラッシュだったことも幸いして就職はすんなり決まり、昼は働いて夜は夜間学校に通うことになりました。
こうして苦学生として東京生活が始まります。「小学校しか出てないから人の倍はやらねーと」と、夜は遅くまで勉強していたようですが、持ち前の短気ぶりで何かとやらかしたそうですよ!?
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右上は 賭け囲碁で負けて有り金全てを失ってしまいます。弱いと見せかけて実は強かった賭け囲碁師の作戦勝ち。いや、ヒートアップしすぎて囲碁を続けた角栄の自滅ですな。
左下は母親の悪口を言われたことにブチ切れて、せっかく敷いた屋根に穴を開けてしまう。いたたまれなくなってそのままバックレ。土木業社を去ることになったとさ。

その後、いくつも職を転々と変えながらも学校を卒業し、自分が経営する建築事務所を立ち上げた。そんな折に偶然にも、当初 書生になるハズだった大河内正敏と初対面。やはりただならぬ人物であると確信した角栄は、持ち前の突拍子もない行動力で気を引くことに成功します。
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上が大河内子爵。理化学研究所の発展に大きく貢献した人物です。ちなみに理研コンツェルンは戦後解体されるもいくつかのグループ企業となり、リコーはその一つ。もちろん わかめスープの理研もそうです。
下は大河内子爵の右腕である市村清。リコーの前身会社の取締役を務めるなど、科学や産業の発展に貢献した人。
こういう名のある人たちから注目されるようになった角栄。その腕試しとしてとんでもない依頼が来ちゃった!
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当時の最新の技術である、セメントを作るロータリーキルンを作って欲しいというのだ! 家やビルを造るならまだしも、それって重工の仕事じゃね? 返答も聞かずに去ってしまう大河内。できないとは言えないため独力で作ることになる角栄です。
ま、これこそアメとムチの使い分けと言うか、あえて難題に立ち向かわせることでスキルの向上を図らせる大河内のやり方。こうやって知識が強制的にでも増えるのなら角栄としても本望でしょう。
けれど時代は日中戦争が勃発して社会情勢が不安な時期。角栄にも召集令状が届いて出兵することになります!

私が小さな頃は角栄が首相をやってた時期でした。後にロッキード事件で逮捕されるけれど、首相時に日中国交正常化を果たしたことでパンダが来たことは知っておいて欲しいです。

角栄に花束を 1 (1) (ヤングチャンピオンコミックス)
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